教授挨拶

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福島県立医科大学 糖尿病内分泌代謝内科学講座の島袋充生 (しまぶくろ みちお) と申します。
当 福島県立医科大学 糖尿病内分泌代謝内科学講座 昭和26年4月に開講された 第三内科学講座を前身としています。
平成28年9月1日に島袋が初代教授として赴任し 新しいスタートを切りました。



わたしが考える 糖尿病・内分泌・代謝性疾患の診療の特徴を3つ挙げたいと思います。
 
第一「全身を診るちから」
どの診療領域でも 正確な診断,病態や合併症の評価を行い 最適な治療選択を行うことは重要ですが 糖尿病・内分泌・代謝性疾患診療では とくに「全身を診るちから」が求められます。視床下部・脳下垂体 甲状腺 副甲状腺 腎・副腎 性腺系などホルモン分泌臓器の異常でおこる内分泌系疾患は 全身にさまざまな症状や徴候をおこしたり 検査値に異常をきたします。糖尿病は 急性あるいは慢性の高血糖のため 全身の細小血管合併症 (網膜症,腎症,神経症) や大血管障害 (心筋梗塞,脳血管障害 下肢末梢動脈疾患 大動脈瘤 頸動脈プラークなど) をおこします。肥満症 脂質異常症 高尿酸血症などの代謝性疾患では 動脈硬化性疾患や痛風など やはり全身臓器の合併症をおこします。高度な思考力とすぐれた臨床能力を身につけることが「全身を診るちから」に必須です。

第二「みえないものを診るちから」
近年の医学の進展は目をみはる早さです。これまで原因が不明だったさまざまな疾患も 急速な勢いで 分子機序が明らかになっています。糖尿病・内分泌・代謝性疾患は 身体徴候・症状からは測れないさまざまな病態を背景にもつため「みえないものを診るちから」が 的確な診断・治療・予後の改善をはかるうえで大切です。一方 原因が明らかでない糖尿病・内分泌・代謝性疾患もたくさん存在します。「みえないものを診ようとする」熱意が未知の分子機序を解き明かし これからの医療に大きく変えていきます。

第三「みんなで診るちから」
糖尿病・内分泌・代謝性疾患の診療においては 医師 看護師 管理栄養士 保健師 薬剤師 糖尿病療養士 運動療養士をはじめとした多職種の医療スタッフによるチーム医療が重要です。この分野は 新しい診断や治療を導入するスピードが早く そのための土台づくりにデータの集積や解析が必須であることから 研究助手や臨床研究コーディネーターなどとの連携も必要です。こうしたチーム医療には 医局内・院内だけではなく近隣の医療機関の先生方やメディカルスタッフと連携も必須です。一方で より専門性を高め新しいエビデンスを構築し それを世界に発信する事も私たちの重要な使命です。日々の診療の視点にたった臨床研究・基礎研究あるいは先進医療の成果を 国内外に発信しながら専門家と協議し深化させる国際連携も目指しています。

当講座はスタッフ11名 診療支援医師2名 大学院生4名 医療技師3名 医局秘書3名の体制です (平成30年7月現在)。「全身を診るちから」「みえないものを診るちから」「みんなで診るちから」で 診療・教育・研究に全力を尽くしていきたいと思います。
 
(平成28年12月9日記)

講座沿革

昭和26年4月 - 昭和51年3月    楠信男          第三内科学講座 初代教授
昭和51年4月 - 平成7年3月      福地総逸      第三内科学講座  第二代教授
平成9年  4月 - 平成27年3月    渡辺毅          第三内科学講座  第三代教授
平成28年7月   風間順一郎   腎臓高血圧内科学講座  初代教授
平成28年9月   島袋充生   糖尿病内分泌代謝内科学講座  初代教授

略歴


昭和62年  3月 琉球大学医学部医学科卒業
昭和62年  6月 琉球大学医学部附属病院研修医
昭和63年  7月 沖縄県名護病院(現県立北部病院) 研修医
平成  2年10月 那覇拘置支所,医系技官
平成  5年  1月 科学技術庁国際流動基礎研究,特別研究員
平成  7年12月 テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンター
博士研究員 (至平成10年5月)
平成11年10月 琉球大学医学部附属病院,講師
平成23年  3月 徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部
心臓血管病態医学分野,特任教授
            
平成28年  4月 徳島大学 糖尿病臨床・研究開発センター
病態・治療研究分野長 (併任)
平成28年  9月 福島県立医科大学 糖尿病内分泌代謝内科学講座 主任教授、
甲状腺・内分泌診療センター(兼任)
平成28年10月 徳島大学大学院 医科学教育部 客員教授
平成29年  7月 福島県立医科大学医学部  生活習慣病・慢性腎臓病講座 教授 (兼任)
平成30年  6月 昭和大学 客員教授
平成30年  8月 ふくしま国際医療科学センター放射線医学県民健康管理
センター健康調査基本部門健康審査・健康増進室副室長 (
兼任)、令和3年4月、同室長 (兼任)
令和 3年  4月 福島県立医科大学 先端地域生活習慣病治療学講座 教授 (兼任)

学会活動

研究業績

Google Scholar 
PubMed
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SciProfiles
KAKEN
Exaly

特許等知的財産

  • U.S. Patent Number: 6,171,856 Patent Title: Methods and Compositions Relating to NO-mediated Cytotoxicity. Inventors: Shimabukuro M et al.
  • 特許取得 発明の名称:高脂肪食への嗜好性を軽減させるための医薬組成物、または飲食品添加物、出願者:国立大学法人 琉球大学 発明者:島袋充生他 公開番号 公開 2013-144656
  • 特許取得 発明の名称:高脂肪食への嗜好性を軽減させるための医薬組成物、飲食品組成物または飲食品添加剤の提供、出願者:国立大学法人 琉球大学 発明者:島袋充生他 特許:第6143215 号 (登録日:2017年5月19日) 出願番号:特願2012-005883、出願日:2012年1月16日
  • 受動喫煙に起因する小児肥満の予防又は治療剤、出願者:福島県立医科大学 発明者:島袋充生他 特願2019-165406  出願日:2019年09月11日

社会活動

  • 福島県療養指導士会理事長、福島県糖尿病対策推進会議 会長、福島県糖尿病性腎症重症化予防プログラム評価委員、福島県版糖尿病性腎症重症化予防プログラム評価シート作成に係るワーキング・グループ委員長、健康長寿ふくしま会議「健康ふくしま21評価検討会」委員(2022年4月20日~2024年3月31日)
略歴 ダウンロード版
日本語版
英語版 Curriculum Vitae
(令和5年10月6日現在)