当講座では診療の傍ら,臨床研究・基礎研究に取り組んでおります。
その一部について紹介します。

臨床研究

①糖尿病発症因子の解析
福島県では,戦後十数年にわたる生活習慣の劇的変化,震災での身体的・精神的ストレス等に伴い,肥満2型糖尿病が増加しています。

最近我々は,10万人規模の特定健診診査の結果から,
1. 心臓血管病で空腹時血糖 70 mg/dl 未満の人
2. 食事を早食いする人
3. 歩く速度が遅い人
に糖尿病の発症が多いことを明らかにしました。

また当科外来や入院患者でのデータベースにおいて,
糖尿病治療薬の臨床的効果,内因性インスリン分泌能による治療効果の違いなどを報告しました(2017年5月 日本糖尿病学会総会)。

②多施設共同臨床研究による最適な診療手法の開発
当科では下図に示す4つの多施設共同臨床研究に参加しています。

多施設共同臨床研究

























その一つであるEMBLEM研究を紹介します。
2015年に糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬がハイリスク糖尿病患者の心血管アウトカムを改善するという結果が報告されました(EMPA-REG OUTCOME試験)。本研究は,この改善メカニズムを解明するために,SGLT2阻害薬の血管内皮機能に対する効果をプラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験で検証するもので,糖尿病治療学に多大な貢献をもたらすと期待されます。

今後は,福島県立医科大学糖尿病内分泌代謝内科独自の患者データベースを構築することで,福島県における糖尿病患者の発生状況,患者動態などの実態把握や,糖尿病の発症・進展におけるリスク因子の解析,県内における糖尿病患者の実態を明らかにするシステムの確立を行い,福島県の医療の充実および患者さんの生活の質(quality of life)の保持に貢献していきたいと思います。